第14号2024.10.18
TLCは2024年10月4日(金)~10月11日(金)にモロッコで開催されたFIA世界ラリーレイド選手権の最終戦となるモロッコラリー2024にランドクルーザー300 GR SPORTをベースとするラリー仕様車2台*1で参戦。ダカールラリー2025に向けて開発されたラリー車の最終テストを行いました。
*1: 701号車(三浦/ポラト組)(オープンカテゴリー)、500号車(バソ/ギャルサン組)(FIA T2ストック(市販車)カテゴリー)
モロッコラリー2024は10月6日にモロッコ中央部の都市マラケシュで競技のスタート順を決めるプロローグステージが行われ、南東部のザゴラへ移動。10月7日から本格ステージに入り、メルズーガ砂丘を通過しながら東にある都市メンゴーブでゴールを迎える計6ステージ、総走行距離約2,400kmの競技となりました。
プロローグステージ後のマラケシュからザゴラへ向かう道中、局地的な雨の影響で一時道路が断絶。2時間ほど立ち往生が続き、ほとんどの競技車両のビバークへの到着が深夜となったことから、第1ステージのルートが急遽変更となり、波乱の幕開けとなった今大会。幸いTLCの2台は大きな影響うけることなく、第1ステージのスタートを迎えました。
第2ステージでは500号車に電気系統のトラブル発生とともに、吸気系統に違和感を感知。若干のタイムロスはあったものの、選手らが適切に対応し、無事その日のゴールまで走り切りました。ビバーク到着後、部品の点検・交換を行い、第3ステージ以降にラリーを進めていきました。車両整備を進めながら、エンジニア、メカニックらは要因の調査も行ったため、AM6時ごろまで作業は続き、体力的にもハードなステージとなりましたが、ダカールラリーに向けた高いモチベーションのもと、後半戦を迎えました。
第4ステージでは701号車にトラブルが発生。高速グラベル路面のワインディングが続くエリアを走行中にドライブシャフトを破損。その場で車載のスペアパーツと工具を使用し、ドライバーとナビゲーターが協力しながら交換し、約1時間ほどのタイムロスで競技に復帰しました。サスペンションの改善に加え、将来に向けたテストとして出力も向上させた車両は足回りへの負荷増大により、今回はトラブルに至りましたが、クルマの限界性能を引き上げていくための新たな課題を明確にすることができました。
最終ステージとなった第5ステージは2台ともに順調。701号車は競技のレギュレーションで決められている最高速度となる時速170kmに達する高スピード域でも安定した走りを見せ、将来に向けたさらなるラリー車の進化に手ごたえを感じるステージとなりました。
TLCの2台は、全5ステージを無事に走り終え、701号車がオープンカテゴリー1位、500号車がストック(市販車)カテゴリー1位、総合62位でゴールを迎えました。
チーフメカニック兼エンジニアのフィリップ・シャロワは、「細かい課題はありますが、ダカールラリー2025に向けて良い準備ができました。今回のモロッコラリーは作業の量も多く、明け方まで作業することも多い展開となりましたが、日本人メカニックの2名も頑張ってくれたし、前回のテストからの成長を感じています。2025年大会もワン・ツーフィニッシュに向けて最後までクルマの調整を続けたいと思います。」と話しました。
角谷監督は、「今回は結果よりも課題を洗い出すことを目的にしていたので、2台ともに大小様々な課題が出てくれていいテストになりました。時間が許す限りクルマの開発は実施していきたいと思います。チームとしても完成度は高くなったと思うので、ワンチームで戦えるようにチームをまとめて頑張りたいと思います。」と熱く語りました。
三浦ドライバーは、「モロッコラリーもダカールラリー同様、年々難易度が上がっており、今大会もバラエティに富んだ様々な厳しい路面で競技が行われ、ダカールラリーに向け、とてもいい経験を積むことができました。ダカールラリー2025では12連覇が取れるようにチームみんなで力を合わせて頑張ります。」と意気込みを語りました。
ダカールラリー2025に向け、引き続きのご声援をよろしくお願いいたします。